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大学生になり、生まれてはじめて一人暮らしをすることになった。初めての地、初めての一人暮らしということで、どこの不動産屋で探すのがいいかも、どのあたりの町が便利なのかも、治安的に安心なのかもさっぱりわからず、母の知人に協力をお願いした。大学からは少し離れたけれど、母の知人が住む下町がいいだろうということになり、大家つきのアパートを見つけてもらって、引っ越した。
大家さんが住む家の敷地内に、2F建ての小さなアパートが建っていて、私が入ったのは101号室。つまり、1Fの端だ。若い女の子の一人暮らしに1Fの部屋はどうなのか・・・と親は懸念したようだけれど、「大家さんが同じ敷地内に住んでいるし、治安のいいところだから大丈夫よ。それに安いしね」という知人の説明に押し切られるような形で納得。
いざ住んでみると、路地に面した部屋で、古いアパートなので、ガラス戸(サッシ戸ではなく、昔ながらのガラスの引き戸!)を1枚へだてた向こうの物音がかなり聞こえる。雨が打ちつける日など、かなりこわかった。おまけに階段の昇り降りの音も響く。それでも、大家のおばさんは気さくな人だし、家賃も安いから我慢していたのだけれど、ある日帰宅すると、大家の息子がトイレの窓から侵入していたので、心臓が止まるかと思うほど驚いた。鍵ごと、窓を外したらしい。息子は小学生なので、押し倒されたりはせず、むこうも驚いて逃げていったけれど、さすがにこれでは住めないと思い、家賃は倍、広さは1/2になったけれど、マンション3Fに引っ越した。「子供がイタズラしてごめんなさい」と大家のおばさんは平謝りだったけれど、「イタズラ」の範囲を超えていると思った。あれから20年、いくつもの賃貸物件に移り住んだけれど、あれ以上のトラブルはない。おかげで、以降の部屋さがしには、いろんな意味で慎重になったので、まあ、それはよかったかなあと思っている。